両生類の脚はなぜまた生えるのか

 子どもと一緒に散歩していると、トカゲなどに出くわし、こども2人とも夢中になってしまう。で、しっぽを切って逃げて、そのしっぽがまた生えてくるんだよと教えてあげる。しかしどうしてそんなことが可能なのか。(ミチをひらく)岡山大准教授・佐藤伸さん【大阪】2015/09/17 朝日新聞朝刊に、最近の研究成果が載ってあった。
 両生類の脚はなぜまた生えるのかをウーパールーパーを使って研究していて、特定のたんぱく質が再生促すことが分かってきたという。ウーパールーパーの皮膚の傷口に神経細胞を置くと、新たな脚が生えた。そして神経の細胞から放出される物質を調べたところがそれが特定されたのだという。
 で、ニワトリの場合でも両生類と同様に傷跡から再生芽はできるらしい。ところが、脚にはならない。「恐らく次に必要なのが、細胞がどの器官になれば良いのか、いま自分がどこにあるのか、という「場」を再生芽に認識させるプログラムではないかと考えています。」と佐藤さんはいう。
 これは、福岡伸一さんがいう「ひとつひとつの細胞は自分が将来なにになるかをあらかじめプログラムされているわけでもないし、運命づけられているわけでもありません。細胞がある程度増えたときに、細胞と細胞のコミュニケーションによってなにになるかが決まっていくのです」ということと親和的である。
 生物学は興味深い。MITでも1993年から生物学を必修科目にしている。社会科学の方も考えた方がいいのではないか。特に経済学。と思っていたら、進化経済学というのがあった。

進化経済学の諸潮流

進化経済学の諸潮流

ついでながら、トカゲはハ虫類で、イモリは両生類。