猿払村で、1人あたりの国民健康保険料が高いわけ。

 国民健康保険の保険料に最大5倍前後の開き?という記事が朝日新聞のBe on saturdayの7月12日に。1人あたりの年間保険料がもっとも高い北海道猿払村や2番めの秋田県大潟村、高くしないと国民健康保険特別会計が成り立たないから高い、というわけではない。
 猿払村はホタテ漁、大潟村は大型干拓の農業が盛んであり、現役の高所得漁業者や農業者が多く国民健康保険に加入している。すなわち、加入者の所得が高い市町村で、1人あたりの年間保険料が高くなる傾向にある、ということなのである。貧しいからではなく、豊かだからであり、芦屋市や武蔵野市で、納税者1人あたりの個人市民税額が高くなるのと基本的には同じなのである。
 したがって、この2村では、一般会計から税金を国保会計に回すこと(法定外繰り入れ)によって、低所得層の負担軽減は行うということもやっていない。

福祉国家の制度発展と地方政府 --国民健康保険の政治学 (関西学院大学研究叢書)

福祉国家の制度発展と地方政府 --国民健康保険の政治学 (関西学院大学研究叢書)

この書物を書いた時には、この点にまで認識が十分いってなかった。