談志、志の輔の鼠穴とらくだ

立川志の輔のCDを聴く。『志の輔らくご両耳のやけど』の、鼠穴とらくだである。鼠穴の自署解説には、「入門する2年ほど前、国立演芸場で師匠談志の鼠穴を聴きました。腰が抜けて立てませんでした。落語を聴いて泣いたのは後にも先にもこのときだけです。後半、兄貴が憎くて涙が出ました。勿論ストーリーを知らないわけではありません。なのに涙が止まりませんでした。今思うと、この落語を演りたくて落語家になったのかもしれません。」とある。それくらい志の輔にとっては重要な作品なのであった。

たまたま談志の鼠穴とらくだもCDで聴いていたので、志の輔の気持ちはわかる。談志の、兄貴あるいはらくだの半次も、憎たらしいし、談志本人が憎たらしいように思える。うまい、ということなのだろう。

ただ、志の輔のCD自体が20年前の収録であり、やはり若い。今の志の輔の、鼠穴やらくだが聴いてみたいものである。

高いー。