『安井かずみがいた時代』読了

安井かずみがいた時代』読了。インタビューを重ねて迫っていくやり方は、芥川の『羅生門』のようでおもしろかった。

それにしても平尾昌晃や加瀬邦彦は慶応高校、村井邦彦暁星学園。みんな東京の金持ちですね。加瀬が六本木のイタリアンレストラン「キャンティ」のオーナーの息子と慶應の同級だったり、その息子と村井がアルファレコードを創立したり。このような人たちが60年代から80年代前半のポップカルチャーを作っていったんですね。吉田拓郎がここに入ってくるのも面白いんですが。

で本書の大きな主題のうちの一つである、加藤和彦安井かずみの夫婦関係は小説よりも奇なり、である。本当はどうであったかは語るひとによっても異なり、二人にもこころの中まではわからないままである。ちょうど羅生門でも真実は明かされないように。

とにかくふたりとも、努力家で勉強家でもありました。さあ、僕も頑張ろう。大丈夫!

安井かずみがいた時代

安井かずみがいた時代