福山市・鞆の浦の調査

 2月26日から27日にかけて、福山市への聞き取り調査に行って来ました。26日はさっそく鞆の浦へ直行し、懸案となっている架橋の部分を見て来ました。架橋というと、京都の鴨川にセーヌ川風の橋を架けるとか、和歌浦にも架橋問題があって、景観問題となっているので、無粋な橋を建てるより、景観のほうが優先されるべきではないか、と思っている人もたくさんいると思います。
 しかし、実際に鞆の浦へ行ってみると、ただ単に景観を守れば良いというものではなく、町中の道が狭く、しかし観光客の車なども多く、下水工事などもできない状況で、地域の多くの人が架橋によって、まちづくりをすすめたい、という気持ちを持っていることがよく分かります。
 このような懸案を抱えた鞆の浦ですが、龍馬のいろは丸事件の縁の地でもあり、対潮楼から見る仙酔島の絶景、仙酔島への平成いろは丸によるクルーズ(市営)など、大変素晴らしい土地でした。鞆の津ミュージアムの展示も楽しく、泊まったホテル鴎風亭の食事も美味しく、皆さんにもぜひお奨めのところです。
 27日には、政策推進担当課長の佐藤展好さんにお世話いただき、午前中は協働のまちづくり課の平林次長に福山市のまちづくり行動計画などについてお聞きしました。福山市では、ちょうど小学校区と公民館等との単位が重なっていて、それを単位として70のまちづくり推進委員会が設置されています。それに対して、地域まちづくり推進事業と、キーワードモデル事業の2つの形で予算が降りてくるということでした。
 駅前の中心市街地の様子も見ながら昼食をとった後、午後は都市計画課の鞆まちづくり推進担当課長の岩木さんと佐藤さんにお話をうかがいました。現地では、この地域のことを鞆と呼ぶのですが、その経緯を聴かせていただきました。ひとつ印象的だったのが、マスメディアの論調が当初と変わってきたということ。この問題はどのような政策課題と考えられるべきなのか、どのようにフレーミングされるかで、解決のあり方も変わってくる、という印象を持ちました。
 そして最後にいろんなアイデアをお持ちの佐藤さんにいろいろな仕掛けについてお聞きしました。例えば、福山市中心市街地の未来を考えるワークショップ、フクノワ山崎亮さんという、ランドスケープデザイナー、コミュニティデザイナーといっしょにいろいろな社会実験を行ったりしています。あるいは、電話帳と市政案内が合体したような福山市暮らしの便利帳。市が情報を提供するけれども、市の財政負担なしに、株式会社サイネックスが企画編集印刷製本を行い、全戸に配布するという面白い企てです。
 これからも注目を続けたいと思う福山市でした。協力いただいた福山の方ありがとうございました。